がくとくん について

   この物語は作者が学生時代に愛用していた学生向けアルバイト斡旋機関の
  「学徒援護会」で見つけたバイトを題材に、そこでのエピソードを紹介する 
  つもりで書き始めたものです。
   しかし、突然始まった「サーキットのイヌ」の連載にパワーを吸い取られて
  第一話も完結しないどころか、ほとんど話が始まらないうちに「サーキットのイヌ」
  に吸収合併されてしまった不遇な物語です。
   サーキットのイヌに登場する学徒君の出所という事で、参考に紹介します。


Posted  : 87/10/04 14:44:34
From    : JN1KXV
Subject : がくとくん 第1話

 学徒君はさっそくFZR1000に喝をいれた。
「カーツ!!」
 でかい声で言うのでセルの回る音がきこえず,まるで喝を入れたためにエンジンが
回りはじめたように見える。
 エンジンが温まるまでに,トイレに行き荷物をもって降りて来るのが彼の常であった
「よし,出廷OK」どひゅーん
 彼はロケットのようにすっ飛んでいった。

 学徒君は,蔵前橋通りに出るとさらに回転を上げ,オービスに「バツ」をくらい,
平井大橋上ですでに180Km/hを越えていた。運良く信号は青つづきで,あっと
いう間に箱崎ランプに乗り入れた
「これなら楽勝じゃああん」
 彼はそう思いつつ江戸橋インターをすり抜け渋谷へと急いだ。
 平日の昼間ということもあってかなりこんでいたが,すり抜けによってどーにかこー
にか渋谷を越えた。あとは東名でカッ飛びだ。首都高も用賀まではガラガラで,東名
に入るまでに30分しかかからなかった。
 すいて来ると,またタコメーターがレッドゾーンに近付く。160Km/h−200
Km/hで用賀から厚木までなんと15分だった。
 そこから小田原厚木道路に入るのだが,これまた飛ばせる道なんだ! 学徒君はアク
セルを戻さずギンギン走った。
「アッ」と思った時には「止まれ」の旗を持った警官はバックミラーの中で小さくなっ
ていた。
「げげ!・・・ま いっか!!」
 いいはずはなかった。後ろから白バイが,サイレンを鳴らしながら追いかけて来る。

                     学徒君の運命は??   待て次号。
 

Posted  : 87/10/16 01:35:28
From    : JN1KXV
Subject : おまたせ小説 学徒君

「やべぇー!!」
  学徒君は、諦めずに加速した。
『ぱほーーーーーーー!』
  ガッチリ沈んだリアサスの下では、偏平タイヤがパワーを路面に伝える。気を緩め
ると浮きぎみになるフロントをムリヤリ押さえ付け、学徒君はアクセルを戻さない。
『ウウーーー...ホギャホガホギャ』
  白バイが何か喚いているようだが、唸るエンジン音とエキゾーストに掻き消され聞
こえない。
  メーターが240km/hを越えた。いくら空いている有料道路とはいえ、ムチャ
なスピードである事は分かっていた。しかし、学徒君のアツいハートは全開のバリバリ
なのであった。
  245,248...スピードはそろそろ頭打ちの様相を見せ始めた。
  249...250...スピードが250km/hを越えた瞬間、学徒君の視界
が真っ白になった。
「うわわっ!」
  学徒君はビックリしてフルブレーキング。
  250km/hからのフルブレーキにも拘わらず、FZRは転倒もせず停止した。
  目の前が真っ白になったため学徒君は完全に意識がブットンでいて、無意識のうち
に目をつぶっていた。フッと自然に左足を地面に着くと、学徒君はそっと目を開いた。
「げげっ!」

 学徒君の目の前に現れた風景は...     まて次号!!


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