大ガードの夜景 第61話  『 新井と西新井 』

引っ越しはしたものの、二日目、じんじんが風邪ぶりかえしてダウン。
京子も腰痛ダウン。鎮痛剤も効かないしお腹の方までチクチク痛む感じで
京子はことあるごとに「あーもーどーにかしてー」と騒いでいる。

あまりひどいので、厚生年金病院へ行き笠原医師に相談してみたところ
ペインクリニックで神経ブロックをすることになった。
してもらった時は治ったのだが、自宅に戻ると痛みが微妙にぶりかえしてきて
かゆい様なムズムズする様な感じになった。これはこれで耐えがたいもので
京子は翌日またペインクリニックへ行った。
今度はメチャメチャ痛い注射されて、この痛さガマンするなら元の腰痛ガマン
する方がマシかも!と思ったが、それはかなり効いてくれて、帰りに下落合で
整体やってもらったら、久しぶりにスッキリした感じになった。

翌日、また痛みが少しずつふりかえしてきたので、腰痛体操でごまかしたが
今度はだるくて、一日中寝てばかり。
そんな状態なので、京子は小春を保育園の緊急一時保育に入れたいと区役所に
連絡をとってみた。しかし、空き無し、でどこにも入れてもらえなかった。

親にその事を話したらダンスの知り合いに議員さんがいるから相談してみよう
と言われた。
京子は、そういうコトして入れるなら苦労しないよ、だいたいそんなコトする
人がいるから、私みたいな人が入れないんじゃないの?
とハナから相手にしなかったのだが、京子母は「新聞取ってあげてんだから
こういう時くらい役にたってもらわないとね!」と、明らかにどういう政党の方か
わかる様なことを言って、その場で電話を始めた。
「うわ、マジ・・?」京子は思ったが、もうイチイチ反論する元気も無く
入れるならいいや、と投げやりな気持ちになっていた。

次の日、京子は厚生年金病院での定期検診に行った。
つい2日前にペインクリニックで来たばかりだったが、今日は骨シンチ。
ついでにペインクリニックで痛い注射してもらった。

帰るとサンセイから「荻窪北保育園で見てくれるって」という連絡が
あった。京子はタメ息ものだった。つい何日か前に役所の人間とさんざん
電話でやりとりしたアレはなんだったのか。
納得行かないが、お願いするしかない状態だった。

小春は、緊急一時保育で保育園通いとなったが、性格なのか、バカなのか
初日から泣きもせずに保育園に順応していたらしい。
毎日預ける時に泣かれる親にしたら、うらやましい限りであろう。
初日はナラシということで午前中だけだったので、京子は車を出してくれた
父親に頼んで新井薬師へ厄払いしに行った。
明日の検査結果聞くのが不安で仕方なかったのだった。

会社から帰ったじんじんにそれらの事を話し、ついでに厄払いしに行った事も
付け加えた。が、じんじんは話を良く聞いていなかったらしく
「なんでわざわざ西新井大師なんか行ったんだ? あそこ交通安全とかじゃ
なかったっけか?」とか勝手に勘違いしていた様子だった。
実はじんじんがその勘違いに気づくのは2年後、新井薬師近くに住む友達が
出来てからなのだった・・・

- つづく -